生活保護の受給条件を徹底解説｜どんな人が対象になる？【最新版】

更新日：2025年11月12日

生活保護の対象かどうかは、世帯の収入・資産・働ける状況などを総合的に見て判断されます。「働いているから無理」「車があるからダメ」などの誤解も多く、実際には条件を満たせば受給の可能性ありです。ここでは受給の主な判断ポイントをやさしく整理します。

1. 判断は世帯単位 ― まず「誰と暮らしているか」

生活保護は世帯単位で認定します。同じ家計で暮らし、互いに生活を支え合う関係にある人は一つの世帯として見ます。個人だけでなく、同居の家族の収入や状況も含めて総合的に判断されます。

別居の家族は原則別世帯です。DV等の事情がある場合は、同居前提での判断が困難なため、窓口で必ず相談してください。

2. 資産と収入の要件 ― まずは自助・他法優先の原則

保護に先立ち、利用できる資産・制度は活用するという考え方があります。預貯金・高額な解約返戻金・余剰な自動車や有価証券などは、原則として生活維持に充てる対象です。一方で、生活に必要な最小限の家財や少額の預金は認められることがあります。

収入は、給与・年金・手当・事業収入などを合算し、必要経費等を控除したうえで基準額（生活扶助＋住宅扶助等）に足りるかを見ます。足りなければ不足分が支給される仕組みです。

他の制度（雇用保険・年金・障害福祉・医療制度・各種給付）は原則優先。難しい場合は窓口で併用可否を相談しましょう。

3. 働ける場合の考え方 ― 就労は推奨、ただし無理は不要

就労できる人には、就労支援が案内されます。働きながら受給は可能で、収入は「収入認定」のルールで保護費に反映。病気・障害・介護・育児などで働けない事情がある場合は、その状況も考慮されます。

• 就労可：就労支援の案内、求職活動のサポート
• 就労困難：診断書等で確認し、医療や福祉サービスと連携

4. 車・住宅・ローンの扱い ― 例外的に認められるケース

「車があると絶対にダメ」ではありません。就労や通院など生活維持に必要と認められる場合、保有が例外的に認められることがあります。住宅も同様で、持家をすぐに手放すのではなく、状況に応じて取り扱いが検討されます（住宅ローンの返済は原則保護費の対象外）。

判断は個別事情と地域の運用で異なります。早めに事情を説明し、選択肢を一緒に検討しましょう。

5. 居住要件・在留資格 ― 原則として国内居住者

原則として日本国内に居住し、適切な在留資格があることが前提です。具体の可否は個別の事情によって異なるため、迷ったら窓口で確認してください。

6. 扶養義務の取り扱い ― 申請の妨げにはならない

親族の「扶養義務」はありますが、扶養が期待できない状況（疎遠・困窮・DV等）も多く、扶養照会が結果として申請の妨げになるべきではないとされています。事情がある場合は、窓口で配慮を相談しましょう。

7. よくある誤解と注意点

• × 働いたらすぐ打ち切り → 収入に応じて保護費を調整。働けるほど自立に近づく設計。
• × 車は一律NG → 就労・通院等で必要性が認められる場合は例外あり。
• × 借金が多いと受けられない → 借金の有無は直接の要件ではありません（返済は保護の対象外）。
• × 申請を断られたら諦めるしかない → 申請権は保障。受理されないときは「申請書を出したい」と明確に伝える。

8. 申請時のコツ（準備しておくと安心）

• 家計の状況（収入・支出）と資産の一覧をメモ
• 通帳・明細・契約書など手元にある証明を持参
• 病気・障害・介護・育児など就労困難の事情は書類化
• 一人で不安なら家族や支援団体の同席もOK

まずは保護費シミュレーションで見込みを把握し、申請手順の流れを確認しておくと安心です。